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建設業許可・業種を追加する際の解説

建設業許可を取得された方でしたらご存知かと思います。建設業許可の専門工事の区分は細かく分類されており、それぞれの工事を行うには、それぞれの許可を取得しなければなりません。事業が好調で、拡大していく段階では、新たな分野の追加を検討することは多いと思います。ここでは、そういった方のために建設業許可の業種追加をしたいときの手続きの解説をしていきます。

大前提として、業種追加するには、一般であれば一般、特定であれば特定と、同じ許可区分でなければなりません。例えば、すでに一般の大工工事業の建設業許可を持っている場合に新しく一般の左官工事業の許可を追加する、といった具合です。ちなみに、一般の建設業許可を持っていて、特定の業種を追加したいという場合には、それは追加ではなく、新規での申請が必要になります。では次に、申請の流れ・要件を見ていきましょう。

実は、要件も手続きの流れも、業種追加申請は新規の申請と大差ありません。

①経営業務の管理を適正に行える人がいること
法人の場合、常勤役員のうち1人、個人事業の場合は事業主または支配人に、次の経営経験が求められます。
②専任技術者がいること
建設工事に関する請負契約の適切な締結や工事の実行のために、技術的な裏付けを持った職員を営業所ごとに配置しなければなりません。
これは一般建設業許可か特定建設業かによって必要な資格等が異なります。
③誠実性
建設工事は、請負金額が高額になることや、工期が長期化する傾向にあることから、請負契約の締結やその履行に誠実性がもとめられています。
④財産的基礎
前述の通り、建設工事は、請負金額が高額になることや、工期が長期化する傾向にあることから、キャッシュ不足による倒産などのリスクを考慮し、財産的基礎を要件としています。
⑤欠格事由に該当しない
欠格事由とは、これに当てはまっている人は絶対許可を受けられませんということです。

一般建設業許可の場合、更新を1回以上してる場合は、決算変更届で毎年税制状況を報告しているので、財産的基礎要件が省略となります。手続きに関しても、新規申請と違いありませんので、同じ手続きをもう一度するようなイメージです。既に取得した許可に追加をする、というと簡単そうなイメージを抱いてしまいがちです。もちろん共通する部分においては既に審査がされているので問題ありませんが、その他は新規申請をやりなおす、といったスタンスで臨んだほうが良いかもしれません。さて、ここまで追加について説明してきましたが、できる種目が増え請け負える合計金額も増え、事業の拡大を感じられる業種追加ですが、良いことばかりでも有りません。追加で業種追加をすると、事務手続きが煩雑になります。次はその点についても触れておきます。

許可の追加をバラバラに行うと、当然ながら他の許可の更新の時期もバラバラになってしまいます。つまり、更新は5年毎ではなく、許可の数だけ更新手続きをしないといけないという訳です。これは、単純に面倒というだけではなく、人件費や手数料といったコストの面や更新忘れと行ったリクスの面で、間違いなく会社の負担となります。ちなみに、一回の更新手続きで手数料は5万円、これに更新手続きに取られる従業員の人件費、もしくは専門家に外注するのであれば専門家への報酬費7万円ほど、バラバラに更新をしていてはその費用だけでも馬鹿になりません。そこで、手間とコストの削減のために許可を一本化することが出来ます。一本化するとはどういうことかというと、更新の時期を揃えて、一回の更新手続きで持っている全ての建設業許可の更新を受けてしまうということです。建設業許可申請書の1ページ目の「許可の有効期間の調整」に「1(する)」を記入するだけです。ぜひ頭の片隅にいれておいてください。

思いの外業種の追加はめんどくさそうだ、ということがおわかり頂けたことと思います。もし、新規申請を専門家に依頼したり、新規申請は自分でやってみたが時間がかかりすぎて割りに合わない、などと思った方は、ぜひ追加申請においても専門家の行政書士への依頼を検討してみて下さい。きっと最短の期間で最適な方法で業種の追加を叶えてくれます。

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