建設業関連記事

建設業許可と事業承継との関係

建設業法の改正が令和1年に行われました。その中で、建設業者としての地位承継についてもルールが変更されることになりました。ここでは、そんな事業承継・建設業許可の承継について解説をしていきます。改正前は、建設業許可は承継できませんでした。改正前の制度では、事業承継(=譲渡・譲受け、合併、分割)や相続があった場合でも、建設業許可ないし建設業者としての地位は承継できませんでした。例えば上記のような承継があった場合、事業を譲り受けた側は対象となる事業にかかる建設業許可を再度新規で申請する必要があり、建設業許可を引き継ぐことは出来ませんでした。つまり、事業承継のタイミングで許可を引き継げないため、新規申請後、新しい許可が下りるまでの間、建設業を営むことができないという状態になっていました。ちなみにこれを「空白期間」と読んだりします。

※<現行>という文字は改正前に読み替えて下さい。

引用元:国土交通省「新・担い手三法について

今回の法改正で、事業承継等の事前認可申請の制度が登場することになりました。これは、事前に認可を受けることで、承継者(譲受人、合併存続法人、分割承継法人)が、被承継者(譲渡人、合併消滅法人、分割被承継法人)の建設業者としての地位を承継できるようになったというものです。これにより、事業を引き継いだ建設業者は空白期間なく、事業を行うことができます。なお、これは事業承継に限ったことではなく、相続が発生した際にも、事後の認可申請によって、効果が過去にさかのぼって及び、空白期間を発生させないで事業を継続して行うことが出来ます。

引用元:国土交通省「新・担い手三法について

手続きの流れとしては、例えば
建築(特定)を持った建設業者Aの事業が、土木(特定)・大工(一般)を持った建設業者Bに事業譲渡するとします。
①事前書類作成相談(承継予定日4カ月前から)
②事業譲渡について事前に認可申請(継承予定日前日の2カ月前から25日前まで)
②許可行政庁が審査
③結果通知
④事業譲渡日に建設業許可もそのまま承継

これにより空白期間なくして、建設業者Bは建築(特定)ついても営業が可能となります。

申請の際に抑えておくべきルールについても説明をしておきます。

①異業種間の承継可能
②同一業種も、区分(一般・特定)が同じなら承継可能。
③一部のみの承継はできない。
例えば、
承継元の保有する建設業許可:土木業(特)・舗装業(般)・造園業(般)
承継先の保有する建設業許可:建築業(特)・大工業(般)・左官業(般)
というケースであると、それぞれの建設業者の保有する建設業許可の業種が異なります。この場合は、問題なく建設業許可を承継することが出来ます。
例えば、
承継元の保有する建設業許可:土木業(特)・鉄筋業(特)・舗装業(般)・造園業(般)
承継先の保有する建設業許可:建築業(特)・鉄筋業(般)・大工業(般)・左官業(般)
の場合、鉄筋業の区分が特定と一般で異なるため、このままでは建設業許可の承継は出来ません。
これは、同一業種は同一区分でないといけないというルールがあるからです。
対策としては、上記のケースで言うと、承継先が鉄筋業(般)を事前に廃業することで異区分での業種重複が解消され、問題なく継承することが出来ます。
例えば、
承継元の保有する建設業許可:土木業(特)・舗装業(般)・造園業(般)
承継先の保有する建設業許可:建築業(特)・大工業(般)・左官業(般)
という場合で、継承先で
土木業(特)・舗装業(般)・造園業(般)のように、一部のみを継承することは出来ないという決まりです。
この場合は、承継しない業種(上記であれば舗装業(般))を事前に廃業すること残り全部を継承する形でクリアできます。

この事業継承についての新しい制度は、今回の法改正でも分かりやすく建設業者にメリットがあったところではないでしょうか?もし、自分の場合はどうなんだろう?どうするのがベストなんだろう?とお悩みの方は一度建設業許可を専門とする行政書士に依頼をしてみて下さい。

建設業許可を外国人が取得する際の解説前のページ

特定建設業の知事許可を取る方法次のページ

カテゴリー
人気の記事
  1. 建設業関連記事

    危険な建設業許可の名義貸しと相場?
  2. 建設業関連記事

    前科があっても建設業許可は取得できますか?
  3. 建設業関連記事

    建設業許可の取り方・流れ・日数
  4. 建設業関連記事

    建設業許可の初心者でもわかりやすい解説
  5. 建設業関連記事

    建設業許可を自分で申請する難しさ
PAGE TOP

茨城県建設業運営ガイドをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む