建設業の許可を取りたいけれど、「知事許可」と「大臣許可」の違いが分からない方は多いのではないでしょうか?建設業許可の「知事許可」の取り方が分からなくて、困っている方もいるかと思います。今回は、建設業許可の「知事許可」をとる方法について説明していきます。

建設業許可の知事許可を取得するための全体の流れの解説です。
| 全体の流れ その1.建設業許可を取るための要件の確認 その2.申請に必要な書類の収集 その3.建設業許可申請書一式の作成 その4.役所にて申請 その5.建設業許可を取得 |
それでは、建設業の知事許可をとる方法について見ていきましょう。
建設業許可の知事許可を取るための要件の確認
まずは、建設業許可をとる要件を満たしているかを確認しましょう。建設業許可といっても、「大臣許可」なのか「知事許可」なのかという違いもあります。さらには、「一般建設業許可」なのか「特定建設業許可」なのかで要件も違いますので、自身が申請するための要件を確認しておくことが大切です。
知事許可とは
営業所がどこにあるかで、「大臣許可」なのか「知事許可」なのかが決まります。
| 「大臣許可」 ・二つ以上の都道府県に営業所を持ち営業をする場合 例:本社が茨城県にあり、支店が栃木県にあるような場合は大臣許可となります。 「知事許可」 ・1つの都道府県にだけ営業所を持ち営業する場合 例:茨城県内のみ営業所がある場合 ※複数の営業所がある場合でも、茨城県内に全ての営業所があれば「茨城県知事許可」となります。 |
営業所の定義
建設業の営業所の定義とは、「建設工事の請負や見積もり、入札業務など建設工事に関する実務を行っている事務所」というのが定義になります。簡単にいいますと、建設業の注文の受領・請書の発行・客先への価格見積もりの提示・技術者の配属などの行為をしているような事務所であれば、建設業者の営業所となります。逆に、単なる現場事務所や作業員の休憩所、連絡所や道具の物置場所の様な事務所は営業所とはいえないことになります。また、仮に事務所であったとしても、経理課や総務や人事しか行っていない事務所も建設業の営業所には該当してきません。したがって、仮に建物が立派なビルであったとしても、行っている業務が「建設工事の請負や見積もり、入札業務など建設工事に関する実務を行っている事務所」ではない場合、建設業の営業所には該当しないことになります。逆に、ものすごく貧祖な建物であったとしても、そこが「建設工事の請負や見積もり、入札業務など建設工事に関する実務を行っている事務所」であるのであれば、建設業の営業所になり、1つの都道府県にだけ営業所を持って営業する場合は、「知事許可」を取得する必要があります。ちなみに「大臣許可」と「知事許可」は同一の会社で2つを取得することはできません。どちらかしかとれませんので、その点も注意をする必要があります。
一般建設業許可と特定建設業許可の違い
| 一般建設業許可が必要な場合 ・下請けとして建設工事を行う場合 ・元請けとして建設工事を行うが、下請けに出さず全て自社で建設工事を行う場合 ・元請けとして建設工事を行うが、下請けに出す建設工事は4500万円未満の場合 ※建築一式工事の場合は7000万円未満 ※元請けとは、発注者から直接受注する場合のことをいいます。 |
上記以外の場合が、「特定建設業許可」が必要になります。つまり元請として受注して、下請に出す建設工事の請負額が4500万円以上(建築一式工事の場合は、7000万円以上)になるような場合です。これは、一社あたりの金額ではなく合計額です。そのため、3社に下請に出した場合、それぞれの請負金額が2000万円ずつだったとしても、合計で6000万円になりますので、特定建設業許可が必要になります。特定建設業許可は、元請として受注する場合の許認可ですので、下請として建設工事を請け負ったときは、たとえ金額が4500万円以上だったとしても一般建設業許可のみでよく、特定建設業許可は不要です。
一般建設業許可の要件
| 下記すべてを満たす必要があります。 ・経営管理責任体制が整っていること ・専任技術者が営業所ごとにいること ・請け負う契約に関して誠実性があること ・財産的基礎または金銭的信用があること ・欠格要件に該当していないこと |
経営管理責任体制が整っていること
経営管理責任体制とは、適正な経営能力を有すること及び適切な社会保険に加入していることという意味となります。適切な社会保険に加入していることとは、文言とおりの意味となります。わかりにくいのは、適正な経営能力を有すること、ということだと思います。これは常勤の役員等のうち、1人が一定期間の経営経験や補佐経験を有していることをいいます。一定期間の経営経験や補佐経験とは、建設業の業種(29業種)であれば「5年以上」、経営業務を補佐する業務に従事していた場合には「6年以上」の期間となります。
専任技術者が営業所ごとにいること
| 専任技術者とは、一定の資格や実務経験を持つ者のことになります。 専任技術者の要件としては下記になります。 ・指定学科修了者で高卒後5年以上もしくは大学卒業後3年以上の実務経験を有する者 ・指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上の実務経験を有する者。または専門学校卒業後3年以上の実務経験を有する者で、専門士もしくは高度専門士を有する者 ・許可を受けようとする建設業にかかわる建設工事に関して、10年以上の実務経験を有する者 ・国家資格者 ・複数業種にかかわる実務経験を有する者 |
請負う契約に関して誠実性があること
誠実性があることとは、簡単にいいますと法律に違反するようなことをしていないかどうか、ということです。
財産的基礎又は金銭的信用があること
財産的基礎または金銭的信用とは、請負契約を遂行するに足りるお金を持っているかどうかということになります。具体的には、直近の事業年度において、決算書上の貸借対照表で、純資産の項目が500万円以上であるか、500万円以上の現預金があるかどうか、ということになります。
欠格要件に該当していないこと
欠格要件とは、許可を受けようとする法人の役員や事業主本人が法に触れるようなことをしていないかどうか、ということになります。具体的には、自己破産をしていないとか、建設業関連で処分をされていないとか、刑事罰を受けたことがないでとか、反社会的勢力ではない等々になります。
申請に必要な書類の収集
| 一般的に必要になる書類は下記となります。 ・印鑑証明書(経営管理責任体制、専任技術者となる方など) ・住民票(経営管理責任体制、専任技術者となる方など) ・身分証明書(役員全員分) ・登記事項証明書(自社のものや経営経験・実務経験を証明するためとして) ・登記されていないことの証明書(役員全員分) ・納税証明書(法人事業税など) ・預金残高証明書(自社名義のもの) |
役所にて申請
必要書類と申請書類一式の作成がおわったら、いよいよ役所にて申請となります。審査期間ですが、平均値としては下記になります。
知事許可:約1ヶ月~2ヶ月前後
※申請先である建設事務所や土木事務所で審査を行い、許可・不許可の決済まで行います。要は1つの建設事務所内のみ審査から決済まで行うということです。
建設業許可取得
役所での審査が終われば、晴れて建設業許可を取得することになります。下請け業者として請け負う金額に制限はなくなりますし、元請け業者として特定建設業許可にあてはまらない範囲で事業をしていくこともできますので、自社の事業をますます発展させていけるように頑張っていきましょう!
いかがでしょうか?
今回は、建設業許可の知事許可を取る方法についてご説明させていただきました。1つの都道府県にだけ営業所を持って営業する場合で、軽微な建設工事に該当しない場合は「知事許可」を取得しなければなりません。そして、その建設工事というのは29業種に分かれています。 建設業の許可を取得することで事業を発展させていくこともできますので、許可を受けることをお勧めいたします。もし建設業の許可について難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用はかかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

















