コロナ渦や材料費の高騰など、事業を行っていきますと好調続きという訳にはいきません。開業して間もない会社など思うように数字が伸びない・・・中には赤字決算になってしまう事業者もございます。今回は赤字決算の建設業者様が、建設業許可の新規許可・更新の際に本当に問題なく許可の取得・更新ができるのかなどの疑問に対して解説していきます。

一般許可は赤字でも可能性は十分あり
建設業許可には、いくつかの要件があります。その中には「財産的基盤」というものがあります、この財産的基盤の要件は、一般建設業と特定建設業で異なります。
| 「一般建設業」 次のいずれかに該当すること。 ・自己資本が500万円以上であること ・500万円以上の資金調達能力を有すること ・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する事 |
| 「特定建設業」 次のすべてに該当すること。 ・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと ・流動比率が75%以上であること ・資本金の額が2,000万円以上で在り、かつ、自己資本の額が4,000円以上であること。 |
一般建設業許可の場合は「次のいずれか」・特定建設業許可の場合は「次のすべて」に該当することとあり特定建設業許可のほうが厳しい許可要件であることが想像できます。実際はそのとおりで、一般建設業許可であれば、取得の際も更新の際もどれかの要件に当てはまる可能性があります。
たとえば新規の許可申請をしたい建設業者さんがいるとして決算が赤字だから無理か・・・と半ば諦めかけていた建設業者さんがいるとします。しかしその事業年度が赤字決算であっても、今までの事業が黒字で、貸借対照表の純資産の部を見たとき、500万円以上になっていれば、1つ目の要件の自己資本500万円以上を満たすことになります。
次に建設業許可の更新の場合です。赤字が続いてしまい、自己資本が500万円を下回っている場合ですが、しかし、それでも500万円以上が入っている銀行の残高証明の提示等によって資金調達能力を示すことができれば「500万円以上の資金調達能力を有すること」に当てはまります。よって更新許可が可能となります。これは更新許可だけでなく、業種の追加についても同じことがいえます。その他、更新許可の場合ですと、財政的基礎の要件として「許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること」というものがありますので、これを満たせば財政的基礎の要件はクリアとなります。ですので、赤字決算であっても一般建設業許可は取得可能な場合も多くあります。
特定建設業の許可要件は一般建設業の許可要件よりもかなり厳しく設定されています。要件の違いですが、その求められている規模も違えば、この中のどれかに該当すればいいですよといったものではありません。全てに当てはまる場合のみ許可されるもので、とても厳格です。
しかし、一般と共通して言えることとして、必ずしも売上や決算が黒字でした、赤字でしたといった事業の成績のみで財政的基礎要件の判断がされるわけではありません。
例えば1つ目に満たさなければならない「欠損比率」の要件ですが、これ自体は直接的に赤字の有無とは関係しておりません。具体的には「資本剰余金・利益準備金ー負の繰越利益剰余金・赤字の累積額」でマイナスになった分が資本金を侵食していくこととなります。そしてこのマイナスとなりはみ出た部分が資本金に対し20%未満に収まっていますかという意味になります。つまり、赤字の額が大きくなりすぎ、マイナスが資本金に大きく食い込む場合もあるため、直接的に関係します。しかし赤字であっても上記基準をクリアしていれば建設業許可には問題ありません。とはいえ赤字の際の特定建設業許可は一般建設業許可より許可が受けにくくなることは確かです。もし特定建設業の更新許可を受けることができない場合、般特新規申請で一般建設業許可に切り替えての更新申請が必要になります。
いかがでしょうか?
財政的基礎要件というだけで、赤字はまずいという印象をうけます。しかし財政的基礎というのは必ずしも事業の成績だけで判断されるわけではありません。会社としての自己資金(体力)や過去の営業実績などが要件になっていることを理解してください。
様々なケースがありますが一般建設業許可の見込みは残っている場合は多いです。
もし自分の場合は、建設業許可の取得・更新はできるのだろうか?と不安な方は、是非一度専門家の行政書士への相談を検討してみてはいかがでしょうか?
















